「明治探偵冒険小説集4 傑作短篇集 露伴から谷崎まで」
その奥にも深く深く森は広がっていました 「明治探偵冒険小説集4 傑作短篇集 露伴から谷崎まで」 ちくま文庫 「秘密 谷崎潤一郎」女装癖をもつ男が、かつて関係を持っていた女と出会い、再び接触を図る。関係を再開する条件は「...
その奥にも深く深く森は広がっていました 「明治探偵冒険小説集4 傑作短篇集 露伴から谷崎まで」 ちくま文庫 「秘密 谷崎潤一郎」女装癖をもつ男が、かつて関係を持っていた女と出会い、再び接触を図る。関係を再開する条件は「...
哀しくも美しい追想小説 「少年の悲哀」(国木田独歩)(「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」)新潮文庫 「少年の悲哀」(国木田独歩)(「明治探偵冒険小説集4」)ちくま文庫 ある夜「僕」は、家の下男の徳二郎に誘われるまま、瀬戸内海の入...
その格調高く情感豊かな日本語に圧倒されます 「たき火」(国木田独歩)(「武蔵野」)新潮文庫 この寒き夕まぐれ、わらべらの願はこれらの獲物を燃さんことなり。赤き炎は彼等の狂喜なり。されど燃ゆるは枯草のみ。燃えては消えぬ。煙...
「明」と「暗」の重なり合いを描いているのか 「百年文庫046 宵」ポプラ社 「十三夜 樋口一葉」 裕福な家に嫁いだ阿関(おせき)は、 夫の冷たい仕打ちに耐えきれず、 家を飛び出し実家に戻ってきた。 幼児を残し、 二度と帰...
時の流れの中に深い悲しみを湛えた珠玉の逸品 「画の悲み」(国木田独歩) (「日本児童文学名作集(上)」)岩波文庫 学力優等でありながらも 乱暴かつ傲慢である「自分」は、 それゆえに周囲から疎まれている。 一方、絵の上手...
愛情は学ばなければ身に付かない 「源叔父」(国木田独歩)(「武蔵野」)新潮文庫 妻と子を亡くした源叔父は、 ある雪の日、佐伯の町の通りで 「紀州」と呼ばれる乞食の子と出会う。 亡くなった子と 二つ三つしか違わない彼を、 ...
そこがなおさら人間臭いのです 「富岡先生」(国木田独歩) (「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」)新潮文庫 華族になることの 叶わなかった富岡先生は、 頑固で偏屈な老人。 一緒に暮らしているのは 器量好しの末娘・梅子。 かつての弟...
旧時代の男と新世代の女との不整合 「置土産」(国木田独歩) (「百年文庫046 宵」)ポプラ社 盆の宵、親も女房もいない 気楽な油売りの青年・吉次は、 茶屋の娘・お絹を誘って出かける。 吉次は軍人として 大陸に渡る夢を持...
もう一度君の身のまわりを見てごらん 「武蔵野」(国木田独歩)新潮文庫 武蔵野の美は落葉樹の林にある。 ツルゲーネフ/二葉亭四迷訳の 「あひびき」から 私はそれを教えられた。 武蔵野のもう一つの魅力は 野にある。 これもま...
やるせない思いの結実のよう 「わかれ」(国木田独歩) (「武蔵野」)新潮文庫 恋愛の痛手を癒やすために、 静かな僻地の別荘に 独居する田宮峰二郎。 彼がその地に住み始めてから 一年半が経過していた。 彼はついに外国へと旅...